4.鉄の強度区分

ネジは締め付けると目ではわかりませんが、ほんの少しだけ伸びているのです。
その伸ばされたネジが縮もうとする力によって、ねじ山のはめあい部に摩擦力が発生してネジはゆるまないのです。
ネジを伸ばそうとする力にどのくらい耐えられるかを表すのが「12.9」などの「強度区分」です。

小数点の左の数字と右の数字がそれぞれボルトの強さを表します。
左の『12』が‘120キロまで切れない’という強さを表します。
これを「最小引張荷重」といいます。右の『9』が‘120キロの9割→108キロまでは伸びても元に戻る’という強さを表しています。
ただ、108キロを超えると伸びきって元には戻りません。これを「降伏荷重」または「耐力」といいます。


変形しても元にもどる  → 弾性変形

変形して元にもどらない → 塑性変形 ※「ねじがバカになる」というのは塑性変形です。


強度区分12.9
弾性変形 「12.9」 → 120キロまで切れない。
塑性変形 に9割の108キロまで元に戻る。
備考 強度区分12.9のボルトへ 
(力の単位 mm あたり)
強度区分10.9
弾性変形 「10.9」 → 100キロまで切れない。
塑性変形 に9割の80キロまで元に戻る。
備考 強度区分10.9のボルトへ 
(力の単位 mm あたり)
強度区分8.8
弾性変形 「8.8」 → 80キロまで切れない。
塑性変形 に8割の64キロまで元に戻る。
備考 強度区分8.8のボルトへ 
(力の単位 mm あたり)
強度区分4.6
弾性変形 「4.6」 → 40キロまで切れない。
塑性変形 に6割の24キロまで元に戻る。
備考 一般的に使用されるているボルトです。
強度が記されていない商品はほぼこれに当たります。 
(力の単位 mm あたり)

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